ホーム > ばちるとは?

撥鏤(ばちる)とは?~正倉院に残る象牙を用いた技法~


写真:帯留と刀子(刀匠 森國清廣 作)

正倉院には、ばちるが施された、儀式用の「尺」、琵琶のバチ、碁石、刀子(小刀の一種)等が残っています。

奈良時代の貴族に愛された「ばちる」の魅力

象牙といえば、素材の質感や気品のある色が魅力ですが、
奈良時代に中国から伝わった「ばちる」は、象牙本来の色は用いずに、染め・撥ね彫りを施し、より高尚に仕上げます。
独特の美しさを醸し出す「ばちる」。
当時、象牙や染料は殆どが輸入物であり、
ばちる技法を施した製品は大変高価なものでした。
一部の特権階級の人のみが知る
贅沢な美だったことと思います。

現代によみがえる千年途切れた技法

ばちるは、平安初期頃までは作られていましたが、
明治の中頃まで作られることがありませんでした。
しかし現代に入り、故 人間国宝の吉田文之氏が復元。
更に、刀匠で人間国宝の故 隅谷正峯氏が
ばちる刀子(小刀の一種)」を復元しています。
刀匠森國清廣は、故 隅谷正峯氏に師事しました。

【※刀子(とうす)とは?】
奈良朝から平安朝の初期にかけて、大宮人の装身具兼お守りとして皇居に参内する人々が常に前帯にかけていた小刀のことです。外装に大変貴重な品を使用したことから、本来の木を削るような文具としてよりも、装飾、あるいは身分を表す道具となったようです。

 ページの先頭へ